女性問題でつまずく大物政治家たち

「ヤマタク」の愛称で知られた山崎拓氏も女性問題のスキャンダルでしくじった。防衛庁長官や建設大臣、党の三役を歴任し、首相候補とも目されていた山崎氏の弱点は女好きであることだった。

 2002年、彼が10年に及び愛人関係を続けていたクラブホステスのA子さんと500万円の手切れ金で別れようとした事から話は始まった。A子さんが実名で山崎氏を告発したのだ。日本外国特派員協会の記者会見で、A子さんは山崎氏の性癖なども含めて10年間の関係を赤裸々に語った。それは、「これじゃあヤマタクも外を歩くのが恥ずかしいだろうな」と思うような内容だった。

愛人関係にあった元ホステスに性癖まで暴露されてしまった元自民党副総裁の山崎拓氏。将来は総理を嘱望されたがその後、総選挙で落選(写真:橋本 昇)
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 このスキャンダルの報道はどんどん過熱し、なかなか沈静化しなかった。それでも盟友である小泉純一郎首相によって自民党幹事長に抜擢され、その後は副総裁にもなったが、2003年11月の衆議院議員総選挙で落選、31年間守ってきた議席を失うことになった。男の政治家にとって女性スキャンダルは命取りとなるのだ。

 山崎氏はその後、2005年の衆議院補選で当選するが、2009年の衆議院総選挙で再び落選、これが実質的な議員引退となった。

北京市公安局の女性工作員のハニートラップに引っかかった橋本龍太郎元総理(写真:橋本 昇)
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 政治家を取り巻く金と女性のスキャンダルは過去から今に至るまで無くなることはない。裏金工作に政治資金規正法違反、はたまた援助交際と、与野党入り乱れて“やらかす”政治家は後を絶たない。そんな現役の政治家たちにもまた“政治の季節”がやって来る。スキャンダルに縁のない政治家だけで、真面目に国の舵取りをしてほしいものだが。