だとしたら、早貴被告は、大下さんに何をしゃべられたら困ると思っていたのか。

お手伝いさんは何かを見たのか

 吉田氏は、事件当時の様子を大下さん本人から以下のように聞いている。

「私が自宅に帰ってきたのは午後8時ごろ。早貴ちゃんはお風呂上がりだったようで髪が濡れていて、リビングでテレビを見ていました。TBS系木曜日の『モニタリング』の特番でした。

 8時半ごろに『ガタン』と上の階から2回物音がしたので『早貴ちゃん、社長が呼んでいるんじゃないの』と言いましたが、早貴ちゃんは2階には行きませんでした。結局10時すぎに早貴ちゃんは2階に上がり遺体を発見、慌ててリビングにいる私を呼び、一緒に2階に上がったんです」

「紀州のドン・ファン」野崎幸助氏宅の寝室で、意識不明状態で発見されたときの野崎氏の様子を再現するお手伝いの大下さん(仮名)*写真は一部加工してあります(撮影:吉田 隆)
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 喪主として、野崎氏の通夜や葬儀で挨拶に立った際にも、大下さんに脇に立ってもらうほどだった。また田辺市の自宅でも「怖いから2階(寝室)に行きたくない」と言い出し、玄関脇のゲストルームで寝起きをするようになったという。