副業・兼業人材は地方の救世主となるか?

 国は、2018年にモデル就業規則から「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」との文言を削除し、副業・兼業に関する規定を新設した。この副業解禁を追い風に、従業員の副業・兼業を容認する企業が増えている。

 日本経済団体連合会「副業・兼業に関するアンケート調査結果」によれば、会員企業の半数以上が2022年時点で副業・兼業を容認している(図2)。

 企業が従業員の副業・兼業を容認する動機としては、他社での経験を通じた従業員のスキルやモチベーションの向上、雇用の定着などがある。コロナ禍には、休業などで減った従業員が収入を補えるように容認へと舵を切った企業もあり、容認企業の割合はさらに上昇している。

図2:副業・兼業を認めている企業の割合
資料:日本経済団体連合会「副業・兼業に関するアンケート調査結果」
(注)1 会員企業のうち、全回答企業275社における比率。2 「~2012」は2012年以前の累計。図2:副業・兼業を認めている企業の割合 資料:日本経済団体連合会「副業・兼業に関するアンケート調査結果」 (注)1 会員企業のうち、全回答企業275社における比率。2 「~2012」は2012年以前の累計。
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 増える副業・兼業人材は、人手不足に悩む地方の中小企業、ひいては地方全体にとっての救世主となり得るのか。活用するうえでのポイントを、当研究所が取材した次の三つの地域における取り組みを交えながら考えたい。


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