安倍政治を継承するのか、転換するのか

 9月17日付朝日新聞の報道で、2013年の参院選挙の直前に、自民党本部の総裁応接室で安倍晋三首相(当時)と旧統一教会会長らが面談していたことが判明した。記事によれば、複数の関係者が取材に、「4日後に公示を控えた参院選で、自民党比例区候補の北村経夫・現参院議員を教団側が全国組織を生かして支援することを確認する場だった」と話しているという。

 旧統一協会と深く結びついてきたのは、岸信介以来の安倍氏の遺産である。この関係を文字通り断ち切ることができるか否かは、自民党にとっても、日本にとっても重要な課題だ。

 また高市氏は安倍路線の継承者を自負している。小泉氏も含めて9人のうちほとんどが安倍路線の枠内であろう。それで、旧統一教会問題や裏金問題など、安倍氏の負の遺産を断ち切ることはできるのだろうか。

 2012年の自民党総裁選で石破氏は地方票でトップになったが、国会議員票では伸ばせず過半数獲得はならなかった。その後、国会議員だけでの決選投票が行なわれ、石破氏は2位で安倍晋三氏が総裁に選ばれることになった。この時には幹事長に就任したが、その後は安倍氏から遠ざけられることになった。

 安倍氏の後を受けた菅義偉政権も、現在の岸田政権も安倍路線の枠内の政権であった。この転換にもっともふさわしいのが誰なのかが選択肢になることを願う。