ハマスの武器を調達した工作員マフムード・アル=マブフーフは10年、ドバイのホテルで麻酔薬を使って暗殺(窒息死)された。イスラエルの暗殺チームは少なくとも27人。英国やアイルランド、フランス、オーストラリア、ドイツの偽パスポートを使い、国際社会を震撼させた。

2010年にドバイのホテルで暗殺されたハマスの工作員、マフムード・アル=マブフーフ(写真:ロイター/アフロ)
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ドバイ警察が公表したホテルの監視カメラ映像。ハマスの工作員マフムード・アル=マブフーフ殺害の容疑者2名が映っている(写真:ロイター/アフロ)
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 イスラエルはハマスの通信を盗聴し、ドローンや空爆作戦の標的となる幹部や戦闘員の居場所を追跡してきた。間違って一般市民を殺害したとしても、彼らにとっては「ターゲットを取り違えたのは失敗ではない。ただの間違いだ」(『イスラエル諜報機関暗殺作戦』)。

イスラエル国防軍の8200部隊

「神の怒り作戦」を実行したモサドのキドン部隊は標的の暗殺、妨害工作、テロ対策任務を遂行する。サイレンサー付きの銃器、毒物、爆発物、著名な標的を排除する特注の武器など、洗練された暗殺ツールを使用している。

 サイバーインテリジェンス、サイバー戦争、ハッキング、電子監視、追跡を担当するのはイスラエル国防軍の8200部隊とされる。通信への侵入、暗号化されたメッセージのハッキング、スマートフォンやコンピューターの動きを追跡、データを抜き取るマルウェアの使用はお手の物。