斎藤元彦「失敗の本質」

 上の5項目を、2020年代の兵庫県に当てはめてみましょう。

(1)古い成功体験(日露戦争);霞が関で覚えた「モーレツ官僚」が正義と思いこみ、地方自治体の全く異なる現実を認識せず、1期目から素人の青二才が無理を強要しつつ「指導」などと勘違いした失態を繰り返し続けた。

(2)必然的に変化に対応できる組織革新ができなかった:県内には様々なフロントエンドがあり、現場はそれで賢明に動いているのに、一人だけ何も知らない殿様気分の素人が紛れ込み、授乳室で着替えてみたり、車両進入禁止で怒鳴ってみたりと、愚行を繰り返した。

(3)年功序列やコネを重視:「牛タン倶楽部」*1こと、知事と個人的に近しい一部の職員が権力を振るい、法も条例も規律もなく、好き嫌いや個人の関係で県政が壟断された結果、こういうことになっている。

*1=牛タン倶楽部とは、斎藤元彦・兵庫県知事を支えてきた兵庫県庁職員集団につけられたあだ名で、かつて知事が総務省から宮城県に出向した時に仲良くなったことに由来している。

(4)組織間のコミュニケーションが十分でない:そもそも知事は自分が興味のないことは聞かない、また自分が興味を持ったことが組織内で勝手に進んでいると誤解すると怒り出すなど、故・西播磨県民局長が詳細に公益通報した通り。

(5)すでに必敗の形勢になっても対応できず、最終的に「玉砕」:まさに今、目の前に繰り広げられている。

「県労組からの辞職要求」→続投

「支持基盤である維新・大阪知事からの肩たたき」→続投

「全県会議員による辞職要求」→「続投」・・・に続いて、今後も

「不信任決議案の全会一致可決」→「議会の解散」→選挙→再び不信任決議→「失職」まで自ら身を引くことができない。

 第2次世界大戦時の戦争指導部を彷彿させる典型的「決められない日本人=斎藤元彦」という構造が浮かび上がってくるかと思います。