米軍司令官「中国は2027年までに台湾を強制併合する可能性」

 隊員は他のシールズ・チームから選ばれる。厳しい選抜プロセスを経て集中訓練プログラムを受ける。近接戦闘、パラシュート降下など高度なスキルを習得。部隊に関する情報は極秘だ。隊員にかかる精神的・肉体的負担の大きさや人道上の問題を巡って批判を招いてきた。

2021年9月、キプロスでの合同軍事訓練に参加するキプロス国家警備隊の特殊作戦チームと米海軍シールズの隊員(写真:ロイター/アフロ)
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 FT紙によると、シール・チーム6はワシントンの南東約250キロメートルのバージニアビーチで、1年以上にわたって台湾有事を想定した計画と訓練を行ってきた。米国防総省も報道を認めている。有事に備えるとともに、中国の台湾侵攻という最悪シナリオを抑止する狙いも大きい。

 2021年3月、当時の米インド太平洋軍のフィル・デービッドソン司令官は中国と台湾の軍事衝突の可能性について厳しい警告を発した。中国の軍事力拡大、台湾「統一」に関する野心やレトリックを根拠に中国が27年までに台湾を強制併合する可能性があるとの懸念を表明した。

 27年という年は中国人民解放軍創設100周年で、中国共産党にとって重要な節目となる。人民解放軍は台湾付近で軍事演習を繰り返し、台湾の防空識別圏(ADIZ)への侵入を増やしている。台湾を支配すれば、中国は自由に西太平洋にアクセスできるようになる。