世界で最も強力な特殊部隊「シール・チーム6」

 国連によれば、ウクライナでは8月だけで民間人184人がロシアの攻撃で死亡した。9月3日にはウクライナ中部ポルタヴァ市にある軍事研究所の分校と近くの病院にロシア軍のミサイル2発が命中し、死者・行方不明74人、負傷者328人という大きな犠牲が出た。

 ロシア軍がイランの短距離弾道ミサイルを使うようになれば、被害拡大は必至。それでもウクライナ軍がATACMSでロシア国内を攻撃するのをバイデン氏が認めないのはなぜか。核戦争リスクと、米国の真の競争相手はロシアやイラン、北朝鮮の背後にいる中国であることが理由だ。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(9月12日付)は2011年に米同時多発テロの首謀者オサマ・ビンラディンを殺害した米海軍の極秘特殊部隊「シール・チーム6」(正式名称:DEVGRU)が、台湾が中国に侵略された場合、台湾を支援する任務を遂行するための訓練を行っていると報じた。

 シール・チーム6は世界で最も強力な特殊部隊の一つ。テロ対策、人質救出、偵察、注目度や秘匿性の高い作戦に従事する。1980年、イラン人質救出作戦の失敗を受けて結成された。世界中どこでも活動可能で、米国が戦略的利益を有する非常に危険な任務を負う。