2002年6月17日、フィリピン南部サンボアンガ市のフィリピン海軍司令部でジョギングする米海軍シールズのメンバー。「シール・チーム6(DEVGRU)」にはシールズの隊員からさらに厳選された精鋭だけが選ばれる(写真:ロイター/アフロ)
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(国際ジャーナリスト・木村正人)

ATACMSでロシア国内を攻撃するのは禁止

[ロンドン発]アントニー・ブリンケン米国務長官とデービッド・ラミー英外相は9月11日にキーウを訪れ、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談。武器弾薬の提供継続を確認したものの、ロシア国内の軍事目標を攻撃する能力に関する方針は明確にしなかった。

 イランはロシアに短距離弾道ミサイル、特に射程距離約120キロメートルのFath-360ミサイルを提供している。ウクライナで前線から離れた地域を攻撃するため使用されるとみられている。ブリンケン氏は10日の記者会見でロシア軍人がイランで使用訓練を受けたことを認めた。

 米政府高官2人が米CNNに語ったところによると、ジョー・バイデン米大統領はウクライナ軍が米国提供の地対地戦術ミサイルMGM-140 ATACMS(エイタクムス)を使ってロシア国内を攻撃することを禁止する方針を変えていない。制限解除に「前向きではない」という。

アメリカ陸軍の「ATACMS」。米国からウクライナに供与されてはいるが、バイデン大統領はウクライナ軍がロシア国内の攻撃にATACMSを使用することを認めていない (提供:U.S. Army/Photoshot/アフロ)
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 ウクライナ側は、空中発射巡航ミサイル「ストーム・シャドウ」など英国が提供する長距離兵器を使用してロシア国内の軍事目標を攻撃する許可をキア・スターマー英首相が下ろすのを待っている。バイデン氏はロシアの全面勝利も、戦争のエスカレーションも望んでいない。