九州や北陸、東北における要注意地域

 九州にはPJルートの熱が到達します。このため、霧島火山帯の動きに注目することが大事です。

 霧島火山帯は、九州中南部の霧島を北端として南西に延びており、霧島山、桜島、鬼界カルデラ、口永良部(くちえらぶ)、諏訪瀬などの火山が連なっています。阿蘇山をはじめ島原・阿蘇・九重などの火山が連なるのは大山火山帯です。

 2016年の熊本地震は松代地震と同様、典型的な火山性地震でした。熊本地震の発生地域は火山に取り囲まれた温泉地帯という点でも、ほかの九州の地震と同様です。

 九州中央部では1500万年前にマグマが大地をカマボコ状に押し上げました。その後、地面を支えていたマグマが抜けると地面は沈み、そこにできた大地の凹みが「別府―島原地溝」です。この地溝に南から熱が移送されました。

 2014年と2015年に鹿児島県の口永良部火山が噴火し、桜島や雲仙岳、阿蘇山の噴火が続き、最後に熊本で大地震を引き起こしたのです。

 PJルート上にある台湾で大地震が頻発していることから、今後、九州地方で大地震が起きる可能性があると思います。

 日本には7つの火山帯がありますが、そのうち2つが存在する九州では地震の備えが常に必要だと思います。