北朝鮮では9月9日は建国の日
「9」は北朝鮮で最重要の数字である。それは、朝鮮半島が信奉する儒教の創始者・孔子が、「中央が八方を治める国家」を理想としたことによる。「中央」と「八方」で、合わせて「9」なのだ。
だから北朝鮮では、重要なものは何でも「9」を基調とする。私はいまから20年ほど前に、平壌を彷徨した際、平壌駅の石柱の数まで「9本」になっているのを目撃した。
そんなわけで、北朝鮮の「建国の父」である金日成(キム・イルソン)主席は、日本の植民地支配が終焉して3年後の1948年、わざわざ9月9日を選んで、朝鮮民主主義人民共和国の建国を宣言した。「民主主義」とも「人民の共和国」とも思えないが、ともかくそれが現在の北朝鮮だ。
そんな北朝鮮は、9月9日、建国76周年を迎えた。この夏は北部一帯が洪水で「崩壊」したにもかかわらず、「革命の首都」平壌では、200万市民を挙げての盛大な慶祝集会と夜会が開かれた。