墓地の上空に鳴り響く戦闘機の音

 このように、平日、休日を問わず墓地には、戦死した兵士の家族や友人が多くお墓に来ている。今年に入って極端に兵士のお墓の数が増えたそうだ。

 ぐるりとまわってみると、お墓にはウクライナの国旗や所属していた部隊の旗が多くたてられているのがわかる。

 戦死した家族や友人を偲ぶためにたくさんの人が集まるスームィの墓地。そんな場所でも、いまも戦争が続いていることを思い知らされる。みな空を見上げているのは、上空を戦闘機が音を立てて飛んでいったからだ。

スームィ市内の中心部には「アイ・ラブ・スームィ」のモニュメントがある。ウクライナ全体にいつのどかな雰囲気が戻ってくるのだろうか

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