スームィ市周辺部の各所にミサイル攻撃の痕跡

 攻撃を受けたのはスームィ市ばかりではない。北に10kmほどのラドキフカでミサイル攻撃の被害に遭った民家を訪れると、広い敷地にある大きな家がボロボロに破壊されているのが目に入った。着弾した家の隣でもガラス窓や車のフロントガラスが割れるなどの被害を受けている。

 スームィ市から北に15kmほどのピサリフカ周辺も似たような状況だった。車で通過すると、まだ煙が立ち上っている家屋などがいくつも見られた。

避難民センターには人だかり

 次に、スームィ市内にある避難民センターの様子を伝えよう。

 避難を開始して間もない8月10日に訪れると、入口には人だかりができていた。そこで話をしているのはスームィ州のヴォロディミール・アルチュク行政長官だった。見渡すと、無事避難民センターにたどりついたことに安堵し、家族で抱き合う様子もみられた。

 避難者の多くはロシアとの国境エリア(国境から10km)から車で3~5時間かけて避難してきており、多くが高齢者だ。まず登録を済ませる必要があるが、夜通しの避難を強いられる者も多い。

 一方、物心がついたかどうかくらいの小さい子も少数だがいる。無邪気にこちらを見つめる姿がやるせない。センターにはそんな子供たちが工作や粘土遊びができる専用スペースも設けている。

 登録を済ませた避難者には食料や生活必需品が各自に支給される。住むあてのない避難者は市が用意したホテルやホステルなどに一時的に宿泊することになっている。