虚勢しか張れない無内容な丸暗記の末路

 百条委員会での斎藤知事とのやり取りでご説明しましょう。ひょうご県民連合、上野英一議員とのやり取りです。

上野議員:知事の人権感覚が、相当に普通の人とずれてるんではないかなと申し上げて、質問に入ります。日頃、職員に接するときには、どのような気持ちで接していますか? 簡潔に。

斎藤知事:・・・そうですね・・・それはあの・・・一緒に仕事していくんですから・・・ちゃんと話聞いたり・・・僕がこういうことやってほしいと伝える・・・そういう意識だと思います。

 弁護士との想定問答集にない質問には、訥弁になりますが、この人の素がどんなものかが見えて興味深くもあります。

「ちゃんと話聞いたり」「僕がやってほしいことを伝える」が彼の素の「職員とのやりとり」との認識であるらしい。

 上野議員とはこののち「知事は気が長い方か、短期と思っているか?」といったやり取りがあったのち、

上野議員:(兵庫県職員への百条委員会の公式)アンケートに、「知事は瞬間湯沸かし器、すぐ怒鳴る」という記載がたくさんあるんですね。

 その典型が、東(西播磨・・・の誤りと思われる)播磨県民局の例の件ですね・・・。これが非常に多いんですよ、知事の場合ね。

 知事は「きつく指導した」と言われてるんですね。これ、普通の人間ならこんなこと言いませんよ。

 知事はね、確かにね、県のナンバーワンでありね、兵庫県の県政のね、最高の執行権威ではありますよ。

 だけどね、知事が能力や知識、執権において、ナンバーワンとは言い切れませんよね?

 ましてや、その県民局長はですね、行政経験も人生経験も豊かな人ですよね?

 その人に対してですね、普通の人権感覚があればですね、そのような、怒鳴りつけるような対応にはならないと思うんですね・・・。

 知事になるまでは対等の関係だったのに、知事様になった途端に (牛タン倶楽部の)メンバーに対しても怒鳴り散らす、知事レクでは片山(安孝)副知事に文房具を投げつける・・・。

 私は今年2月の代表質問で、「未熟な議案提案になっている」と申し上げました。

 そしたらですね、私は決して知事に対して未熟とは言っていないんですが、知事はその「未熟」という言葉に反応してですね、

「仮にも、県民の付託を受けてこの場にいる私に対して、失礼ではないか」というふうにおっしゃいました。

 その後、小橋(浩一元理事、現在は総務部付)さんたちがいる自席に戻られて「あれは差別発言やった」と大きな声を出されました。

 こんな知事にはついていけないと思いますが、いかでしょうか?

斎藤知事:はい、あのぉ・・・様々なご指摘いただきました。はい、あのぉ・・・私としての、思いはですね・・・。

 弁護士からのティーチインでは、おそらく、アドリブで何か話すときは「思い」という表現をくっつけろ、とアドバイスされているのでしょう。

「思い」に対しては責任を訴求しにくいですから。

 そして、「僕の気持ちはどーなの、こーなの」という、幼稚な言い訳としか有権者が解釈できない言い訳が続くわけで、これこそ「低EQ」と表現すべきでしょう。

 典型的な「何の実績もない未熟な人間が、図星を指摘され(たと解釈し)てプライドを傷つけられ、なりふり構わず、おもちゃを何でも投げつけている幼児に似た状態」であるのが分かるかと思います。

 まともに練れた首長なら、1期目は「ここでは皆さんの方が先輩ですから・・・」と下僚を立て、1期目はとにもかくにも役所内の把握に努めるのは、首長経験のある複数の友人から揃って聞くところです。