固定期間がさほど長くないタイプが人気に

 民間でも大手銀行は最長35年までの全期間固定金利型を実施しているが、金利は1%台の後半と、変動金利型などに比べるとかなり高く設定されている。固定期間が短いほど金利は低めで、長くなると金利が高くなる。

 それもあって、【図表1】にあったように、固定金利期間選択型の利用を検討している人の中では、金利が低めの固定期間が5年から20年程度を検討している人が多い。

【図表2】のみずほ銀行の例でみると、固定期間が21年以上になると金利は1%台の後半だが、10年だと1%台の前半で利用できるので、金利の低さと固定金利の安心感を合わせて享受したいと考える人が多いのだろう。


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 しかし、金利1%前後で利用できる固定期間2年、3年といった固定期間の短いタイプの利用を検討している人も少なくない。

 このタイプは金利が低く魅力的に見えるが、その分、固定金利型といってもリスクが大きいことを認識しておく必要がある。固定金利型となっているが、実は変動金利型よりもリスクが大きくなる可能性があるのだ。

 固定金利期間選択型の固定3年を、借入額5000万円、金利1.05%、35年元利均等・ボーナス返済なしで利用すると毎月返済額は14万2310円だが、それは3年間で終了する。

 その3年間のうちに市中の金利が上がっても、適用金利は変わらないので、その意味では確かに固定金利型なのだが、その後は、その時点の金利で再び固定金利期間選択型を利用するか、変動金利型に切り換えるかを選択することになる。

 その時点で利用できるローンの金利が0.5%下がって0.55%になっていれば、返済額は13万円台に減少するが、それは現実的に考えにくい。仮に金利が変わらず、1.05%の適用を受けられれば毎月返済額は14万円台で変わらないが、金利が0.5%上がって1.55%になると15万円台に、1%上がって2.05%に上がると16万円台に増えてしまう。