子供たちもドローン攻撃の被害に

 3人の女性が藤棚の下でおしゃべりしている。

 その中につばの広い帽子をかぶった、エレガントなワンピースの女性がいた。自宅が破壊されたため、今は市内の別の場所に身を寄せているという。

 彼女は、シェベキノに残っている理由について「お金の問題はもちろんあります。でもそれ以上に、この静かで美しい町をとても愛しているんです。孫やひ孫もここに住んでいます。辛い毎日を送っていることは確かですが、ほかのどこへも行きたくありません」と話す。

 一人の女性が「ウクライナとは互いに兄弟姉妹だと思っていて、これまでは、家に帰るような感覚でウクライナに行っていました」と言えば、隣の女性も「ヴォルチャンスクなんてここから6キロ向こうですよ。歩いてフルーツを買いに行ったこともあります。私の友人は、一人の息子はロシア、もう一人の息子はウクライナに住んでいるので、文字通り兄弟が戦うはめになったのです」と続ける。

 シェベキノでは7月11日、子供広場で休憩していた少年5人がドローン攻撃を受けた。

 このドローンは「バーバ・ヤガ」(魔女)と呼ばれている、特大ドローンだ。もともと農業用として開発され、50キロまで物資を搭載可能だ。

 そのドローンが爆発物を投下したのである。

 この時負傷した少年の中に、帽子の女性の甥もいた。甥は命を取りとめたが、5人のうち、1人の少年が亡くなった。

 彼の心臓は2度止まり、2度の蘇生に成功した。しかし、3度目の蘇生はとうとう叶わなかった。

 女性たちに現場を案内してもらい、さらに1次救助にあたった人を探し、話を聞いた。

 広場の向かいの住宅に住んでいる男性は、爆発が起きた時、近所の若者が現場に走っているのを見て、自分も現場に駆けつけた。

「子供たちは派手なスポーツ用の服で、キャップをかぶって、ハーフパンツを履いていた。服装で、すぐ子供と分かる」

「トレーニングの帰りに、ここでボール遊びをしようとしていた。男の子5人だ。私はそのうち一人の止血を試みた」

「かなり重傷で、膝が吹き飛ばされていた。ドローンは子供目掛けて攻撃したとしか思えない」

「ついこの間も、12歳の女の子が犠牲になった。吹き飛ばされてバラバラになったんだ。俺の孫と同い年だ」

ドローン攻撃を受けた子供広場