「ジムニー5ドア」の発売が「確実」と言える理由

 海外メディアでは、日本のジムニーシエラであるジムニー(3ドア)が発売される少し前から、スズキが欧州各所の公道で試験走行する模様がスパイフォトされる度に、「ミニGクラス」という表現が使われることが多かった。

 現状ではジムニーシエラ5ドアの日本発売日程は未定ながら、その日は確実にやってくるものと考えられる。

2019年1月の東京オートサロンで参考出品された、ジムニーのピックアップ版(写真:筆者撮影)

 そう言える理由は、2018年に現行モデルである4代目ジムニーの発売開始以降、筆者は当時の開発責任者と何度も意見交換する中で、スズキ側は5ドア日本仕様の可能性について否定してこなかったからだ。

 スズキの主張はいつも「お客様に喜んでいただくことが最優先」。そのためにジムニー関連のコンセプトモデルなどを披露するなどして「ジムニーのさらなる可能性」について市場の声をしっかり聞き、それと同時に日本とインドでの生産体制の最適化を進めるという説明をこれまで繰り返してきた。

 2018年から数年間、日本を含めたグローバルでジムニーの受注が一気に増えたため、生産が追いつかず、グレードによっては1〜2年待ちという長納期によって、ユーザーに迷惑をかけてしまったというスズキとしての反省がある。

 そうした4代目ジムニーとしての初期需要期間から早くも6年が過ぎ、モデルライフの中で5ドア日本仕様はもとより、スズキがコンセプトモデルで提案したピックアップトラックなど多様な車系がそろそろ量産に向けた動きが出てきてもおかしくないタイミングではないだろうか。
 
 5ドア日本仕様登場への期待が高まるジムニーだが、ここでその歴史を簡単に振り返っておきたい。