東京株式市場でかつてない大荒れの展開が続いています。週明け8月5日の日経平均株価の終値は、前週末比で4400円超も下落する大暴落となりました。下落幅としては、それまでの最大だった1987年の「ブラックマンデー」を上回り、過去最大でした。ところが、翌8月6日には日経平均株価は急騰。終値は3200円余り値上がりし、上げ幅は過去最大となったのです。いったい、株式市場で何が起きているのでしょうか。錯綜する情報を整理し、やさしく解説します。
※株価などの数値はいずれも8月7日時点
大暴落の経緯を振り返る
「日経平均4451円安」「下げ幅史上最大」「ブラックマンデー超す」。日本経済新聞がそんな見出しの号外を発行したのは、東京市場で8月5日(月)の取引が終わって間もなくのことでした。日経平均株価(225種)の終値はこの日、4451円28銭安の3万1458円42銭という記録的な暴落に見舞われたのです。
東京株式市場は今年に入って上昇傾向が続いていました。バブル期の最高値を突破し、3月には史上初の4万円台に到達。その後は史上最高値の更新を何度か更新しながら、7月11日には4万2224円2銭を記録していました。
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しかし、そうしたトレンドを覆す大暴落が、それから1カ月もしないうちにやってきたのです。下落傾向は先週後半から強まっていました。終値の前日比は8月1日(木)が975円49銭安、2日(金)は2216円63銭安という大幅な下落。2日の下落幅は史上3位という大きなものでした。結局、東京株式市場は週末をはさんで3営業日連続で値下がりし、下げ幅は総額7600円あまりに達しました。
これまで過去最大の下げは、1987年10月19日の世界的な同時株安「ブラックマンデー」に伴うものでした。東京株式市場でも10月20日の終値は前日比3836円安。これが史上最大の下げ幅として記録に残っていました。
ところが、この8月5日に史上最大の下げを記録した翌6日、東京株式市場は一転して大幅な値上がりとなりました。取り引きの開始直後から全面高に。午前中には一時、3400円超の上昇となり、取引時間中としては過去最大の上げ幅を記録しました。
「買い」の勢いはその後も衰えず、結局、6日の日経平均株価は3217円4銭高い3万4675円46銭で取り引きを終了しました。終値の上げ幅としては、1990年10月2日につけた2676円55銭を超え、過去最大の上げ幅となりました。
過去最大の下落と上昇が2日連続して起きるという異例の展開。これまでに経験したことのない市場の動きはなぜ起きているのでしょうか。