Z世代がハリス氏を形容する「brat」の意味は?

 本来、bratは「悪ガキ」や「いたずらっ子」を意味する。だが、この文脈ではZ世代のスラングとして使われているという。英インディペンデント紙は「brat」を含むZ世代のスラング辞典を掲載し、それによると「(象徴という意味での)アイコン。自身の真正性(authenticity=本物であること、ありのままの姿)と自信(confidence)を受け入れること」なのだという。

 残念ながらZ世代よりも、先日パリオリンピックで92年ぶりとなる馬術でのメダル獲得という快挙を成した「初老ジャパン」と年齢が近い筆者には、何度説明を読み返してもこの文脈での「brat」の正確なニュアンスが完璧には掴めない。

Z世代から支持を集めるチャーリーXCX(写真:AP/アフロ)

 主要米メディアの司会者も当初、この現象をおもしろがりながらも相当困惑した様子で、「ハリス副大統領が称された『brat』とは」という解説をこぞって放送した。お硬い経済ニュースのイメージが定着している英フィナンシャル・タイムズ紙すらこの現象に触れ「bratとは心の持ちよう(state of mind)」であり「(ハリス氏の過去の演説を引用し)過去に縛られないこと!」であるなどと解説している。

 チャーリーXCX本人の説明や複数の報道、ロンドン在住のネイティブの友人らの話を総合すると、「brat」とはようするに「欠点や失敗、エゴなどを含めた私」「とても正直で率直で、ちょっぴり不安定」「パーティ好きのふざけた行動」「バカな発言も時々する」「クールな女子スタイル」などだそうだ。つまりは、完全無欠な女性などではなく、不完全で自身の欠点も認めて受け入れられるクールな女子、ということなのだろうか。