7月25日、東京株式市場では日経平均株価が1200円以上下落し、終値で1カ月ぶりに3万8000円を割り込みました。翌26日も200円超下げました。7月中旬に初めて4万2000円の大台を超えて史上最高値をつけたものの、米国株の下落や円高進行による企業業績へ影響が懸念されています。こうした中でも、投資信託「ひふみ」シリーズを運用する藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス社長)は「10年後に日経平均は10万円以上になる」と語ります。なぜそう言い切れるのか、藤野氏に背景を聞きました。
(河端 里咲:フリーランス記者)
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——足元の日経平均株価の動向をどうみていますか。
藤野英人氏:直近の日経平均の下げは円高進行が影響しています。日銀も金融政策正常化へ動き出すと言っており、日本の金利は上昇方向になるでしょう。一方、米国は利下げの方向性なので「内外金利差(国内金利と海外金利の差)」から、短期的に見ると円高・ドル安の方向性に向かっているのだと思います。
米大統領選を控える中、トランプ氏が「安い円はずるい」という趣旨の発言をしたことも円高に進めた要因です。ただ仮にトランプ政権になると、あらゆる景気刺激策でインフレが進み再び円安方向に為替が動く可能性もあります。中長期で為替の動向を読むのは難しいと思います。
ここ数年の円安トレンドが日経平均を支えていたことは間違いありません。ただ、為替の動向はとても大事なのですが、為替の動向はさておき、10年後に日経平均は10万円以上になると考えています。日本株の上昇を支える理由は他にもあります。
——為替以外に日本株を支える要因は何でしょうか?