日本企業がアグレッシブになってきた

藤野氏:2つ目は日本の大企業の改革です。

 2014年に経済産業省が「伊藤レポート(持続的成長への競争力とインセンティブ〜企業と投資家の望ましい関係構築〜)」を公表し、翌15年には東京証券取引所が「コーポレートガバナンス・コード」を発表しました。

 これらが企業と株式市場に改革を起こし、もっと成長を軸に会社のあり方を考えようとする動きが大企業を中心に広がるきっかけになったと思います。

 私はこれまで多くの経営者の方と話してきましたが、正直20〜30年前まで日本の大企業の経営者は退屈な人が多かったのが事実です。もちろん立派な方々ですが、成長よりも会社を潰さないことを軸に考えている人が大半でした。海外の投資家が日本の経営者に会うと「何か眠いな、興奮しないな」と感じていたのが事実です。

 ただ最近の経営者は若返りも進んでいます。60〜70代の経営者が多かったのですが、大体10年ぐらい若返り、50〜60代が増えました。

 若いからいいというわけではありませんが、よりアグレッシブで変化に対して許容ができていると思います。海外投資家に言わせてみても「日本なんかアグレッシブになってきたな、その割に株価は安いな」と。そうした海外投資家が日本株を買ったことが、日経平均を昨年の3万円から4万円に引き上げた一因になっていたと思います。

 そして3つ目が、新興企業や若く勢いのある経営者の台頭です。