(国際ジャーナリスト・木村正人)
「バイデン撤退」でも…
[ロンドン発]11月の米大統領選で再選を目指していた民主党のジョー・バイデン大統領(81)が7月21日、高齢不安から撤退を表明。共和党ドナルド・トランプ前大統領(78)と対決する後継候補としてカマラ・ハリス副大統領(59)を支持した。
バイデン氏は来年1月まで大統領職を全うする。再選を目指す現職大統領が撤退するのは、ベトナム戦争拡大で大規模な反対運動に見舞われた民主党保守派リンドン・ジョンソン大統領が1968年、政策転換と同時に大統領選に再出馬をしないことを表明して以来、実に56年ぶり。
民主党の大統領候補は8月の党大会で指名されるが、ハリス氏の流れができつつある。米メディア、ザ・ヒルの世論調査(平均)では、トランプ氏はハリス氏を47.4%対45.4%で2ポイントリード。トランプ氏46.0%対バイデン氏43.5%(2.5ポイントの開き)とほぼ変わらない。
ハリス氏の好感度は41.0%のバイデン氏同様それほど高くなく、「好感度を持っている」が37.7%、「持っていない」が55.5%だった。サンフランシスコ市郡地方検事、カリフォルニア州司法長官、上院議員(カリフォルニア州)を歴任したハリス氏は舌鋒鋭く、高齢不安はない。