7月10日、国民議会選決選から3日後、囲み取材に応じる極右「国民連合」の元党首マリーヌ・ルペン氏(写真:ロイター/アフロ)
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(国際ジャーナリスト・木村正人)

ルペン氏「勝利は先延ばしにされただけ」

[ロンドン]6月30日と7月7日の2回投票が行われたフランス国民議会選(下院、定数577)で、欧州議会選や第1回投票で首位に立った「国民連合」(旧国民戦線)の極右連合は“急造”左派連合とエマニュエル・マクロン大統領の中道連合の野合で142議席の3位に沈んだ。

 強硬左派「不服従のフランス」・社会党・緑の党・共産党の左派連合が178議席で首位。マクロン大統領の中道連合は150議席で2位。国民連合のマリーヌ・ルペン氏の秘蔵っ子ジョルダン・バルデラ党首が首相になるのは防ぐことはできたものの、誰もが予想しない結果となった。

7月7日、国民議会選の結果が徐々に明らかになる中、演説する「国民連合」のジョルダン・バルデラ党首(写真:ロイター/アフロ)
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 ルペン氏は「私たちは国民議会議員の数を倍近く増やした。トレンドは上昇を続けており、私たちの勝利は先延ばしにされただけだ。この国を統治するのに値するのは決選投票で1000万票(得票率37%)を獲得してトップに立ったわが党だけだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

「マクロンはわれわれの勝利を奪おうとし、左派連合のプログラムを阻止しようと企んでいる。唯一の主権者、国民がマクロンを屈服させなければならない。なぜ首相官邸に向かって大行進しないのか」とマクロン大統領の命で居座るガブリエル・アタル首相への抗議活動を呼びかけた。