総選挙の翌日、労働党の支持者らに囲まれるキア・スターマー新首相とビクトリア夫人(写真:ロイター/アフロ)
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「私たちは今日から仕事を始める」

[ロンドン発]7月4日の英総選挙(定数650)で412議席という地滑り的大勝利を収め、14年ぶりに政権を奪還した最大野党・労働党のキア・スターマー党首は5日、チャールズ国王から組閣の命を受け、首相官邸前で「私たちの仕事は切迫しており、今日から始める」と演説した。

 政権交代の影に隠れて見逃されているのが二大政党の議席占有率の低下だ。1950~60年代に99%近くに達した議席占有率は史上最低だった2005年の85%を下回る82%に落ち込んだ。社会の分断を悪化させた欧州連合(EU)離脱を巡る混乱が英国政治の液状化を一段と進めた。

 主な政党の開票結果は次の通りだ。

・労働党412議席(211議席増)得票率33.7%
・保守党121議席(251議席減)同23.7%
・自由民主党72議席(64議席増)同12.2%
・スコットランド民族党(SNP)9議席(39議席減)同2.5%
・リフォームUK(改革英国、強硬右派新党)5議席(5議席増)同14.3%

 保守党は元首相、次期党首候補を含め12人の閣僚が議席を失った。EU離脱を主導したナイジェル・ファラージ氏の強硬右派新党「リフォームUK(改革英国)」は5議席にとどまったが、英国独特の単純小選挙区でなく欧州大陸のような比例代表制なら92議席以上の大躍進だった。