首都ワシントンにあるジョージタウン大学を久しぶりに訪ねて、驚いた。構内には学生食堂のほかにフードコートがあり、外食のチェーン店が並んでいるが、その内容が以前とはがらりと変わっていたのだ。
ケンタッキー・フライドチキンやピザハットといったおなじみの店が姿を消し、代わりに1軒のハンバーガー屋が営業していた。いや、ぱっと見てハンバーガーと判別できたわけではない。「エレベーション・バーガー」というその店は、青と白で雪山を描いた実に爽やかな看板を掲げており、アイスクリームか何かの店かと思った。
その違和感につられて近寄ってみると、この店は「史上最高のオーガニック・バーガー」を標榜していることが分かった。野菜も肉もオーガニック。牛肉はホルモン剤や抗生物質などの薬品を使用せず、放し飼いで牧草だけを食べたウシからとっているという。値段はかなり高い。どういうハンバーガーなのか。
“おいしくない?”ハンバーガーを高値で買う学生たち
ちょうど昼どきだったので、ものは試しと買ってみた。
まず、フライドポテトは太さと長さが不揃いだ。大手チェーン店では形と白さを保つためさまざまな添加物を加え、工場で大量生産した冷凍ポテトを店舗に配布することが多い。だが、ここではポテトを店舗でカットして揚げている。だから不揃いなのだという。現場では手間がかかるだろう。
ポテトを揚げる油は、大手チェーンでは健康リスクが指摘されることの多いサラダオイルが一般的だが、ここではオリーブオイルを使っているそうだ。健康的かもしれないが、やはりコストは割高になるだろう。