3.ロシア西部コヴィルキノのOTHレーダーを無人機攻撃

 ロシア西部モルドビア共和国コヴィルキノ市に設置されているOTHレーダー(名称「コンテナ」29B6コンテイネル)は、高さ34メートルのアンテナ×144本と管制所から構成されている。

写真 ロシアゴルキノのOTHレーダーのアンテナ

出典:voenmeh.ru(ロシア教育センター)

 そのレーダーの能力は、監視範囲が2000~3000キロであり、バルト海~ウクライナ全域~欧州全域~地中海の範囲の極超音速ミサイル、巡航ミサイル、軍用機等、同時に5000目標を追跡できることになっている。

 だが、レーダーから900キロの距離の範囲に死角もある。

 この種のレーダーは、電波を斜め上方に向けて発射し、その電波の反射を使って、航空機等の目標を確認する仕組みになっている。

 そのため、遠距離は監視できるが、近距離に死角ができる特色がある。

 4月17日、その死角になっていたためか、ウクライナ東部から発射された無人機の攻撃を受けた。このレーダーはそれをキャッチできず、攻撃機はアンテナの要所部分に命中した。

 このレーダーは、監視能力から考えると、ウクライナの西半分とそれより西の欧州を監視する能力がある。

 ウクライナに供与される「F-16」戦闘機が、ウクライナに入るところや、その飛行場をキャッチされるかもしれない。

 ウクライナとしては、絶対に破壊しておきたいレーダー基地であるはずだ。

 これも、前述同様に、ウクライナの無人攻撃機を発見し、撃墜することはできなかった。