1.ロシア警戒監視レーダーへの攻撃

 2023年末から現在まで、ウクライナが無人機を飛行させて攻撃したのは、ロシア国内の2基の移動展開レーダー、2か所の警戒監視レーダー基地、1か所のOTHレーダー(over the horizon radar=超水平線レーダー)基地である。

 自爆型無人機は、目標とするレーダーや管制機器のいずれかに命中させることができた。

 ただ、その攻撃ではロシアのレーダーなどを完全に破壊できたわけではないので、ウクライナとしても、どれほどの効果があるかは解析中だと思われる。

 まず、それぞれの基地等について、位置と能力を明らかにし、そして主な警戒監視空域を考察する。

図 ロシア警戒監視レーダーの位置とウクライナが攻撃に成功した施設

出典:ウクライナ国防情報局(SBU)およびロシアメディア、グーグルアース地図をもとに、筆者が作成