7.ロシアの目を潰すウクライナ

 ウクライナは、ATACMSなどが供給されてから、またF-16戦闘機の引き渡しを間近に控えて、今年の4月中旬以降、ロシアのS-400/300(「S-500」も含まれているかもしれない)防空ミサイルや長距離の監視レーダーを破壊している。

図 ロシア軍警戒監視レーダーの位置と主な警戒監視範囲想像

出典:各種情報に基づき、筆者が作成

 ロシアが侵攻当初に行ったウクライナの防空ミサイルやレーダーを破壊したことを、今度は逆にウクライナが実施している。その規模は小さいが、槍で突き刺すように急所を攻撃している。

 これらのレーダーは、ウクライナの弾道ミサイル等や戦闘機の飛行を警戒監視する。

 そして、その情報をロシア防空兵器であるS-400に伝え、S-400のレーダー情報と連携して、防空ミサイルを発射し、撃墜するものである。

 ウクライナは、ロシアの防空ミサイルS-400/300の破壊に努めている。

 さらに、これまで述べたように長距離の監視の目を潰し、F-16戦闘機やATACMSなどのミサイルが効果的に攻撃できるよう、下準備をしているのである。

 この成果は、これから急速に出てくる。これらの攻撃は、ウクライナの再反攻の始まりだと考えてよいだろう。