ゆるくなる大学受験と過熱する中学受験

 ペーパーテスト中心の入試制度に賛否両論はあるものの、受験があるからこそ必死に勉強せざるを得ない、という側面は確かにあります。平均的な学力をそこまでばらつきなく高くしてくれているのは、やっぱり受験のプレッシャーです。

 とはいえ、日本では、大学受験の内容はどんどんゆるくなっています。

出所:『日本の未来、本当に大丈夫なんですか会議 経済学×社会学で社会課題を解決する』(西田 亮介・安田 洋祐著、日本実業出版社)
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 一例として、浪人する人の数がすごく減っています。独立行政法人大学入試センターによると、昨今の浪人生の受験比率は全体の15%程度まで減少しています。ほかのアジアの国とは好対照です。

 反対に、高まっているのが中学受験熱です。特に首都圏ではすごくて、2024年度は前年度より900人減の6万5600人と9年ぶりに減少しましたが、受験率は22.7%と過去最高を更新しています。

 中学受験はやりすぎなところもあるとぼくは考えますが、大学受験の熱が下がっていくのと中学受験が過熱しているのは、セットなのかもしれません。