東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に最大級の注目が集まっている。現職・小池百合子氏に対し、立憲民主党・蓮舫氏が名乗りを上げたことにより、国政への影響も必至という状況だ。法政大学大学院の白鳥浩教授は、今回の選挙戦を「歴史的都知事選」と位置付ける。都政のかじ取り役を担うのは、「劇場型」の小池氏か、「一点突破型」の蓮舫氏か、はたまた続々と現れる他の候補者か――。白鳥氏が都知事選の見方と注目ポイントを解説する。(JBpress)
(白鳥浩:法政大学大学院 教授)
蓮舫氏の決断で歴史的都知事選に
2024年の東京都知事選挙は、歴史に残る選挙となるだろう。
そうしたことを予感させる出来事が、選挙戦の開始を来月に控えた、5月の最終週に起こった。5月27日の蓮舫氏の出馬会見である。蓮舫氏は「事業仕分け」などの業績で知られ、その高い発信力と「一点突破型」の攻撃力には定評がある。
そうした蓮舫氏にとっては、初めての都知事選である。これまでも、その知名度の高さや、発信力の高さから、都知事選への出馬が何度も取りざたされてきた候補者の最終的な決断に、世間の耳目を集める選挙となることだけは明らかとなった。
そもそもこの選挙に蓮舫氏がなぜ、出馬することとなったのだろうか。
蓮舫氏は野党第一党であった民進党の代表になる以前、2016年都知事選にも、出馬の可能性が取りざたされていた。だが、その時点では蓮舫氏は、「国政」に関心があり、「都政」は自分のフィールドではないということを明確に示していた。
そうした発言を行っていた蓮舫氏が、なぜ翻意して今回の都知事選に立候補することを表明することとなったのであろうか。
白鳥 浩(しらとり・ひろし)
1968年生まれ。法政大学大学院教授、博士(政治学)。英国オックスフォード大学客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、静岡大学助教授などを経て、現職。専攻は現代政治分析。特に現代日本政治の分析については、高い評価を得ている。また各種メディアにおける硬派なコメントでは、的確な解説が定評を得ている。日本政治法律学会理事長。