SNS型投資詐欺やロマンス詐欺もオール警察で対応

 令和6年4月から警察が各都道府県警に設置した「特殊詐欺連合捜査班」らが、「投資詐欺又やロマンス詐欺については、具体的な捜査方法や抑止対策において特殊詐欺と共通する面があることから、特殊詐欺対策及び匿名・流動型犯罪グループ対策と一体的に対策を推進する」としている。

 さらに、「警察庁においては、本年4月に新設予定の長官官房参事官(特殊詐欺対策及び匿名・流動型犯罪グループ対策担当)及び組織犯罪対策第二課が中心となって、刑事、組織犯罪対策、生活安全、サイバー等の関係部門の部門横断的な対策を推進する」とあり、投資詐欺、ロマンス詐欺に関しても、オール警察で対応を強化するようである(警察庁 捜査第二課、組織犯罪対策第二課「広報資料」)。

対策は「面識ない他人にお金を預けない」ことに尽きる

 京都新聞はSNS型投資詐欺被害拡大に警鐘を鳴らし、フェイスブックを運営するMeta社など運営者側が実効的な対策を講じないことに苦言を呈している。

「ネット上に偽の投資勧誘などが大量に拡散され、詐欺へ誘い込む温床になっている。巨額被害が相次ぐのに、SNS広告で利益を上げる運営会社側は実効性のある対策を講じていない……(2024年4月26日 筆者註)メタの日本法人を相手取った訴訟が起こされた。なりすまし広告の調査を怠ったとして神戸市などの被害者4人が計約2300万円の損害賠償を求め、神戸地裁に提訴した。メタの怠慢と責任回避に批判は強く、真摯(しんし)に受け止めるべきだ」(京都新聞「社説」2024年4月28日)

 ロマンス詐欺とSNS型投資詐欺は当面続くと思われる。SNSの運営者側が実効的な対策を講じないのであれば、自分の身は自分で守るしかない。

 平素から、子どもには「知らない人についていってはいけません」と注意していると思う。SNS型投資詐欺やロマンス詐欺も同様だ。

 われわれが普段目にしているSNSにも、トクリュウによる書き込みや広告が普通に流れてくる。SNSは詐欺集団の主戦場だ。詐欺の落とし穴はいたるところに仕掛けられている。直接の友達申請やDMもくる。そのトラップに引っかからないためには、胡散臭い書き込みや広告をクリックしないようにすること、不自然な友達申請やDMはスルーすることなどだろう。

 筆者が大人の読者に語るのも僭越だが、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺被害に遭わないためには、「リアルな窓口がある証券会社しか信用しない」、「著名投資家がSNSで投資を勧めたりすることはない」、「面識ない他人にお金を預けない」、「面識ない異性の甘言を信じない」、「個人情報を安易に伝えない」こと等を徹底してほしい。