虫歯・歯周病にならないためには、歯の表面に着いたプラークの除去だけでは不十分だ。問題の1つが「歯ぎしり」。虫歯菌の“隠れ家”をつくってしまう。歯ぎしりが招く危険信号とは。虫歯・歯周病にならないための「おとなの歯磨き」を3回にわたって伝授する。(JBpress)
(*)本稿は『おとなの歯磨き』(伊東材祐著、フローラル出版)の一部を抜粋・再編集したものです。
■おとなの歯磨き
(1)歯磨きとは「除菌」だ!「うんち」より菌密度が高いプラークを除去し、虫歯・歯周病に勝つ「おとなの歯磨き」とは
(2)ギリギリギリ…「歯ぎしり」が虫歯を招く!病原菌の本当の隠れ家は真夜中に作られる
(3)おとなは歯磨きを何分間すべきか?3分間では圧倒的に足りない!「7つ道具」を使いこなしプラークを落とせ
ギリギリ、ギリギリ。深夜、寝室から響く音。
もうおわかりですね。そう「歯ぎしり」です。
これまでに虫歯になる仕組みを紹介しましたが、では、歯の表面に着いたプラークさえ落とせばいいのか。というと、話はそう簡単にはいきません。
虫歯菌というのは、目に見えないほど小さな菌なので、歯の小さな隙間(すきま)にだって入り込んでしまいます。
そして、多くの人が知らない間にプラークの居場所を作り出しているのが、歯ぎしりなのです。
歯ぎしりを続けていると、歯には様々な症状が現れます。
その代表的な症状と言えるのが「くさび状欠損(くさびじょうけっそん)」。
歯ぎしりをしているとき、歯には体重の2倍ほどの力をかけながら、ギリギリと歯を左右に動かします。このとき、もっとも圧力がかかるのが、歯の根元。本来、歯は横には動きません。そのため、横方向への圧力をかけ続けてしまうと、いずれは耐えられなくなり、歯を覆うエナメル質がパキッと欠けてしまうのです。
こうしてできるのが、歯の根元が欠けたくさび状欠損。この欠けた凹みはプラークにとって絶好の隠れ家となります。
また、エナメル質が欠けることで、神経への刺激を強く感じることになるため、冷たいものを飲んだら歯がしみる、いわゆる知覚過敏(ちかくかびん)などを起こしやすくもなります。
また、くさび状欠損以外にも、歯ぎしりによって、生み出される隠れ家はいくつかあります。
次のページで紹介している症状が少しでも出たときは、歯科医院に相談に行く事をおすすめいたします。
(次ページでマンガをお楽しみにください)