関東エリアでもジワジワと増えている平屋

 このように九州は“平屋王国”となっているが、その他のエリアでもジワジワと平屋が増えている県がある。

 全国的にみれば地価の高い関東エリアでも、茨城県では東京からのIターン、Uターンの増加、テレワークの浸透などによって平屋住宅へのニーズが高まっているといわれる。関東でも、東京都やその周辺3県は土地代が高いので、平屋住宅を建てることは簡単ではないが、茨城県ならある程度リーズナブルな価格帯で建てることができる。

 そのため、中堅ビルダーの中には、茨城県を中心に平屋の戸建て住宅を分譲しているところもある。特徴的な物件を見てみると、敷地は330m2台、建物が80m2台~90m2台で、価格は3000万円を切っている。

 この価格帯であればまだまださほど年収の高くない人でも十分に取得が可能なので、首都圏の周辺部では平屋住宅が増える可能性がありそうだ。

 こうしてジワジワと各地で増えつつある平屋住宅。在宅勤務が可能な人なら、郊外や地方に移住して広めの敷地を確保し、ワークスペースのある平屋住宅を建てるという選択肢もあるだろう。

 また、大都市部の2階建てなどの戸建て住宅住まいで、多少身体に不自由な面が出てきたという人なら、2階を削ったり、平屋住宅に建て替えてバリアフリーの住まいにするのも手だろう。

 戸建て住宅の取得を考えている人にとって、今後、さまざまなニーズに対応できる平屋住宅が重要な選択肢のひとつになっていくかもしれない。