愛子さまの“はじめて物語”が紡がれていく

 一方、外交辞令ではあるだろうが、すでに愛子さまに招待を口頭で伝えた国がある。それがアフリカの東海岸の玄関口、ケニアだ。

 先日、来日して昼食会で顔を合わせた折、ケニア大統領から愛子さまへ「ぜひともケニアに来てください」と話しかけられたのだ。もちろん非公式の挨拶程度のものだったかもしれないが、まったくその気がないはずはない。

愛子さまケニアのルト大統領夫妻との昼食会に臨まれる皇后さまと長女愛子さま(2024年2月9日、宮殿・連翠/代表撮影/提供元:共同通信社)

 しかも愛子さまは、大の動物好きとして知られており、野生の王国と称されるケニアのサバンナでさまざまな動物をご覧になることは大きな喜びとなるだろう。

 これまでにもケニアには、上皇ご夫妻や天皇陛下をはじめ、秋篠宮さま、高円宮ご夫妻が訪問されている。最後にケニアを公式訪問されたのは、2010年3月、皇太子時代の陛下によるものだった。以来、ケニア訪問は10年以上も途絶えている。

 だからと言ってアフリカ諸国との友好をないがしろにしているわけではなく、2012年6月には秋篠宮ご夫妻が日本とウガンダ外交関係樹立50周年に際し、国際親善のため訪問されている。

 その翌年には、南アフリカ共和国元大統領のネルソン・マンデラ氏の逝去を受け、陛下が追悼式に参列するため南アフリカを訪問されている。そろそろアフリカ諸国との親善訪問も視野に入れる時期ではないかと考えると、ケニア大統領自らの招待は、現実のものとなり得るのではないだろうか。

 今や国民的注目の的となっている愛子さま。今後、さまざまな“はじめて物語”が紡がれていくわけだが、そこには世界の人々を魅了する、愛子さまのはじけるような笑顔が刻まれていくことだろう。

【つげ・のり子】
放送作家、ノンフィクション作家。東京女子大学卒。ワイドショーから政治経済番組、ラジオ番組まで様々な番組の構成を担当する。2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在もテレビ東京・BSテレ東「皇室の窓」で構成を担当。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。日本放送作家協会、日本脚本家連盟会員。