(つげ のり子:放送作家、皇室ライター)
眞子さんの門出を心から祝福した「ハグ」
民間人となった秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さんへの関心は、以前に比べて落ち着いてきてはいるものの、それでも時折思い出したように、真偽のほどが定かではないような動向が伝えられている。
2年前の結婚を巡る騒動の余波が、今も多少なりとも続いていると考えれば、将来、秋篠宮家の次女・佳子さまの結婚が具体化した場合、眞子さんの時以上に注目され、報道も過熱するのは火を見るより明らかだ。
12月29日に29歳となられた佳子さまにとって、その時期は近づいているのだろうか。もちろん、結婚するかしないかは個人の自由であるし、結婚するにしても、その時期を他人が云々するのは野暮というものだ。
ただ佳子さまの場合、「結婚はそう遠くない将来」と筆者は感じている。その理由としてあげられるのは、やはり眞子さんとの関係だ。
結婚を巡り激しいバッシングの渦中にあった眞子さんが、2年前の10月26日に婚姻届を提出し、その後、記者会見にのぞむため当時秋篠宮家のお住まいだった御仮寓所を出る際、玄関でハグをされた佳子さまの姿を覚えている人も多いだろう。
佳子さまは、姉として幼い頃から愛情を注いでくれた眞子さんの力強い味方であり、ずっと同志とも言える絆で結ばれていたからこそ、眞子さんの門出を心から祝福して送り出したかったのだ。
世論の逆風に最後まで抗い、結婚に関しては初志を貫徹した眞子さんの姿勢に、佳子さまは見習うべき生き方を見いだしていたのかもしれない。
平成31年に行われた、佳子さまの「国際基督教大学ご卒業に際して」の文書回答には、眞子さんの結婚についてこう綴られている。
「私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています。また、姉の件に限らず、以前から私が感じていたことですが、メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています。今回の件を通して、情報があふれる社会においてしっかりと考えることの大切さを改めて感じています」
眞子さんの結婚に対して、メディアの報じ方に偏りがあり、いわれなきバッシングについても強い調子で遺憾の意を示されていた。それだけ、結婚を夢見る姉が悩み苦しむ姿を、不憫に感じておられたのだろう。
女性皇族が民間に嫁ぐと一般人となって、皇族である佳子さまと自由に往来することは叶わない。ましてや、眞子さんはその時すでにニューヨークで暮らすことが決まっていただけに、仲の良い姉妹の間に遠い隔たりが出来てしまうのである。
あの時のハグは、そんな姉妹のしばしの別れの儀式でもあったのだろう。