きっかけは交流会

2.沿線諸団体との交流と全線無料デイの実現

 先に述べたように、実は沿線には様々な活動に取り組んでいる団体は少なくない。ただ、こうした団体間の情報がこれまでは特に共有されることがなかった。

 そこで沿線の様々な団体が一堂に会するような交流会をやってみよう、という機運がでてきた。これも近江鉄道株式会社と滋賀県や沿線の自治体などが、近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会(法定協議会)を通じて、率直な意見交換を行い、信頼関係の構築ができてきたからだ。

 2022年1月15日、各団体が自分たちの活動内容の発信や、団体同士の連携、新たな活動を創出する場づくりを目的として「近江鉄道線活性化に取り組む皆さんの交流会」が開かれた。

 近江鉄道、県、沿線自治体が、それぞれのネットワークを活用して沿線諸団体に声をかけ、当日は各活動団体の代表者ら43人が参加した。

 それぞれの活動紹介により、実は類似の活動をしている団体が少し離れたエリアに存在すること、あるいは一緒に活動をすると相乗効果が生まれそうな活動があることなど新鮮な発見があった。

 そして、移動手段として近江鉄道線を活用しつつ、沿線諸団体が各駅で同じ日にイベントができないかという意見が出された1)

 こうした意見を受け、近江鉄道株式会社でもイベントの開催が議論されることになった。