欧州No.1のサッカーチームを選ぶ仕組み

 欧州サッカー連盟(Union of European Football Associations : UEFA)には現在、55カ国・地域のサッカー協会が加盟し、それぞれにリーグ戦を運営しています。UEFAは過去5年間の戦績をもとに各協会のレベルを数値化し、ランキングとして公表しており、チャンピオンズリーグへの出場枠もこの「カントリーランキング」に基づいています。

 まず、ランキング1〜4位の4協会からは、それぞれのリーグ戦で上位4位に入ったチームが自動的に出場権を手にします。さらにランキングが5〜6位の2協会からは各リーグ戦の上位3チーム、同じく7〜15位の上位2チーム……といった形で出場権が与えられるほか、前年度のチャンピオンズリーグ優勝チームなども出場権を手にします。

チャンピオンズリーグ 準々決勝第2戦に出場したアーセナルの冨安健洋選手(写真:REX/アフロ)

 このようにして2023〜2024シーズンの本戦・予選への出場権を得たのは78チームでした。このうちスペインやドイツ、イタリア、イングランド、フランスなどの強豪リーグに所属する計26チームは出場権を得た時点で直接、グループステージ(32チーム)への参加が決まっています。ところが、他のチームはグループステージの残り6枠をめぐって厳しい予選を戦い抜かねばなりません。

 チャンピオンズリーグには、例えば、アゼルバイジャン(ランキング26位)やカザフスタン(29位)、アルメニア(41位)、アンドラ(54位)などサッカーとはなじみの薄い国々からもクラブチームが参加しています。ただ、これらのチームは毎年8〜10月に行われる予選の段階で早々と敗退しており、注目を集めることはほとんどないのです。

 なお、ロシア協会もUEFAに加盟していますが、ロシアのウクライナ侵攻により、国際サッカー連盟(FIFA)とUEFAはロシアのクラブチームと代表チームに国際大会への出場停止処分を科しています。そのため、今シーズンのチャンピオンズリーグにロシアのクラブチームは参加できませんでした。