世代論の始まりは「団塊世代」
こうした世代論の始まりは、作家・堺屋太一氏の近未来小説『団塊の世代』だった。堺屋氏は1947~1949年ごろに生まれた第1次ベビーブーマーを「団塊の世代」と名付け、この世代が高度経済成長を牽引していく日本の姿を描いてみせた。
団塊の世代は右肩上がりの経済成長を経験していることから、「努力は必ず報われる」という泥臭い考えを持っている人が多いと言われる。また人口が多いことから、競争心が強いのも特徴とされる。
ちなみに「バブル世代」と「団塊世代」の間には、何事にも無関心な「しらけ世代」や、個人主義でオタク気質の多い「新人類」と呼ばれる世代もいる。要するに、時代の雰囲気をうまく捉えたキーワードがバズると、世代を表す言葉として定着するわけだ。
ちなみに、「Z世代」の次は、「α(アルファ)世代」と呼ばれ始めている。「Z世代」よりもさらにスマートフォンやSNSなどが当たり前の中で育ったことが特徴だ。主に2010年以降に生まれた若者を指し、オーストラリアの世代研究者であるマーク・マクリンドルによって提唱されている。
もちろん、世代論で語られる特徴が、その世代のすべての人の特徴に当てはまるわけではないことは、言うまでもない。こうした世代論を鵜呑みにしてしまうと、一人ひとりの個性を無視してしまう危険性はある。
ただ、大雑把に各世代の特徴の違いを把握し、自らの価値観の背景にある時代性を客観視するには多少なりとも役に立つのではないだろうか。