ニューヨーク・メトロポリタンホテル前の大パレード

(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

サムライ見たさに詰めかけた50万人

 4月15日、午後7時から放映された『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(テレビ朝日)。この日は、「カメラ誕生200年! 写真に残る歴史の決定的瞬間 BEST15から出題3時間スペシャル」と題して、歴史的な人物や出来事を収めた数々の興味深い古写真が公開され、それぞれのエピソードについてのクイズが出題されました。

 実は、この日紹介された決定的瞬間写真の中に、幕末から明治初期を生きた本連載の主人公「開成をつくった男 佐野鼎(かなえ)」も登場していました。その一枚は、「アメリカでまさかの侍フィーバー」と題して、ベスト2に輝いた以下の写真です。

1860年、ブロードウェイで撮影された日本人使節の歓迎パレード(ナタリア・ドーン氏提供)

 これは、今から164年前の1860年、アメリカ・ニューヨークのブロードウェイで行われた盛大な歓迎パレードの瞬間を撮影したものです。番組では「当時のアメリカ国民は日本人を見た経験がなく、日本刀を携えたサムライを一目見ようと、およそ50万人もの市民が訪れた」と解説していました。

 この写真からもわかる通り、多くのニューヨーク市民がビルの窓や屋上から身を乗り出し、ハンカチや国旗を振っている様子がわかります。路上にもあふれんばかりの人垣ができ、いかに賑わっていたかがよくわかります。