元本割れせずに増やしたいなら、「15年以上」長期投資すること
元本割れせずに堅実に増やしたいなら「15年以上」の長期投資を行うことが一つの目安になります。
投資の名著とされる『ウォール街のランダム・ウォーカー』(バートン・マルキール著/日本経済新聞)では、15年以上長期投資することで元本割れしないという分析結果が紹介されています。
1950〜2020年の期間において、米国株価指数「S&P500」に1〜25年間投資した場合の年平均リターンのちらばり方(ブレ幅)を表したものです。プラスは利益が出たこと、マイナスは損失が出たことを意味します。全体的に、プラスのほうが多いことがわかります。
しかし、投資期間が1年の場合、52.6%もの利益を出した年もあれば、37%も損失が出た年もあり、リスクが大きいことがわかります。これが5年・10年の投資となると下落のリスクが少なくなり、15年になるともっともリターンが少ない場合でも4.2%と、プラスに転じています。つまり、15年以上の長期投資をすれば元本割れしないということです。
また、金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」および「NISA早わかりガイドブック」では、1985年以降の期間で長期・積立・分散投資を20年続けると、元本割れしないという分析結果を公表しています。
もちろん、これらのデータはあくまで過去のもので、将来も絶対に元本割れしないという保証はありません。しかし、15年以上の期間、積立・分散投資を続けていれば、仮にその間に暴落があったとしても元本割れしていない可能性は高いと考えます。