「性愛格差」のアホらしさに気づいた賢い男女から結婚していく

──現代は自由恋愛全盛で、お見合い結婚も超少数。必然的に結婚の数も減りますね。

:社会がリベラル化して自由恋愛が当たり前になると、女性の選り好みはより厳しくなり、多くの男性にとって恋愛は「無理ゲー」化してしまいます。これが「モテ/非モテ」問題で、マッチングアプリが男女の性愛格差をより拡大しています。

 女は性愛の第1段階では恋愛強者ですが、第2段階でモテの男に選ばれようとすると、ライバルはたくさんいるわけですから、こんどは恋愛弱者の側になってしまいます。最近、20代の若い男女と話していると、こういう性愛ゲーム(無理ゲー)から距離を置きはじめているように感じることがあります。

 彼ら/彼女たちは高望みせず、「しっかりしていて、そこそこ賢ければいいかな」という基準でパートナーを選び、その選択に満足して堅実な生活を営んでいます。こうしたカップルが共働きで世帯年収1000万円を超えるパワーカップルになり、協力しあいながら子どもを育てているのでしょう。

 女性の不満の第一は「いい男はみんな結婚している」だそうですが、自分を客観視できる賢い男は、賢い女を見つけてさっさと恋愛市場から退場していくのです。>>【後編】橘玲氏に聞く少子化対策「自由恋愛で『一夫一妻制』は崩壊!会社は社内結婚の斡旋を」、男性は「インセル」の懸念も