日本国籍がないと役員になれない
またNTT法では、外国人の議決権割合が3分の1以上になることを禁じていることに加え、日本国籍を有していない人が役員になることはできません。NTTのグループ従業員34万人のうち15万人の外国人を抱える中「グローバルかつ多様な視点でのマネジメントができない」、「どんなに業績を上げても持ち株の役員に登用できないためモチベーションの低下に繋がっている」(NTT)との弊害を主張しています。
サイバー攻撃などの脅威が高まり通信インフラの重要性が増す中、「経済安全保障の観点からNTT法でNTTだけを守っても無意味」(NTT)と指摘し、外為法など他の法令で主要通信事業者も対象とすべきだとも訴えています。
通信のユニバーサルサービスや外資規制などが主なテーマとなっていますが、KDDIやソフトバンクなど競合他社はNTT法の「廃止」については猛反発しています。
「NTTは30年の年月と25兆円の税金をかけて構築された電柱や通信回線など特別な資産を活用して日本の通信事業者にもさまざまなサービスを開発・提供している」ことから国民生活への影響が大きいなどと主張しています。
昨秋にはX(旧ツイッター)上で、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が「『NTT法を廃止』して、国民の血税で作った唯一無二の光ファイバー網を完全自由な民間企業に任せるなど正気の沙汰とは思えない」と投稿。これに対してNTT広報室が「保有資産は最終的には株主に帰属するのでこの主張はナンセンスな話」と反論する事態に至っていました。