「オヤカク」は入社後のトラブル回避や離職率減少にも効果あり
また、オヤカクがもたらす効果は内定辞退の防止だけとは限らない。というのも就職に関する親の干渉は入社してからも続くからだ。
「こんな時間まで残業させるとは何事か」と親から会社にクレームが入ったり、親から退社希望の連絡が入り、本人不在のまま全ての退職手続きがすすめられたりすることもあるという。そのためオヤカクは入社後のトラブル回避、離職率減少にも繋がる、企業にとっては人材確保手段の命綱の1つなのだ。
では、オヤカクはどのような方法で行われているのだろうか。具体的なオヤカクの方法としては、会社案内のパンフレットやDVDを保護者宛に送付し、給料や福利厚生、教育カリキュラムなどを親に公開する方法がある。内定後に自社の商品を自宅に送付したり、社長や採用担当者が挨拶の電話をかけたり、中には食事会や懇親会などのイベントに保護者を招待することも行われている。
実際にサッポロビールでは入社式に同席する家族の交通費を一部負担、式典の後には会社見学や家族の懇親会まで開催している。