「まごは(わ)やさしい」という言葉をご存じだろうか。これは健康的な食生活を送るためにとりたい食材の頭文字の語呂合わせで、「ま=まめ」「ご=ごま」「わ=わかめ(海藻類)」「や=やさい」「さ=さかな」「し=しいたけ(きのこ類)」「い=いも」のことだ。中でも海藻類は今、世界が注目する食材だ。
SNSのPinterestが2023年の食のトレンド予測で「Vitamin Seaweed」を挙げ、アメリカの大手食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」は6位に昆布を予想するなど、スーパーフードとして、またサステナブルな食材として人気が広まりつつあるのだ。
海藻になじみが深い日本では、なんと約100種類もの海藻が食べられているという。よく食べられているもののひとつがわかめで、その食経験は縄文時代に遡るという。1960年代からは養殖も盛んになり、塩蔵や乾燥などの保存方法が確立したことで全国に流通するようになった。
乾燥わかめのトップ企業
その乾燥わかめ製品でトップシェアを占めるのが理研ビタミン株式会社が76年に発売した〈ふえるわかめちゃん〉である。
同社は魚の肝臓から天然由来のビタミンAを抽出する事業でスタートし、その抽出・精製・濃縮といった技術をいかして食品事業に進出、65年にわかめ商品を発売。81年に発売した〈わかめスープ〉は爆発的な売上を記録し、89年には〈海藻サラダ〉のタレとして開発した〈リケンのノンオイル青じそ〉も画期的なドレッシングとして大ヒットした。
いずれも同社の看板商品ではあるが、そこから30年余り、新たなヒット商品に恵まれてこなかった。