SEC承認も、委員長は異例の注意喚起
米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長は1月10日に公表した声明で「ビットコインは投機的で不安定な資産で、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)、マネーロンダリング(資金洗浄)や制裁回避、テロ資金調達などの非合法活動にも使われている」と指摘し、「ビットコインを推奨した訳ではない。投資家は無数のリスクについて慎重であるべきだ」と注意喚起をしています。
過去10年近くにわたってSECはビットコイン現物ETFを認めてきませんでした。今回承認に至った背景には、グレースケール・インベストメンツがビットコインで運用する未上場投資信託のETFへの転換をSECが拒否したことを不服とする訴訟で、SECが敗訴したことがあります。暗号資産交換業者と当局との対立は今後も続き、規制強化の流れは変わらないと指摘されています。
日本は現時点ではまだビットコインETFの商品の取り扱いがありません。法定通貨に対するアンチテーゼとして期待され誕生したビットコインなどの暗号資産ですが、その社会的役割については今後も議論が注目されます。
【主な参考資料】
◎ETFとは?(日興アセットマネジメント)
◎ビットコインとは(野村総合研究所)
◎現物ETF上場後のビットコインの展望と課題(野村総合研究所)
◎SECがビットコインの現物ETF(上場投資信託)を承認(野村総合研究所)
◎ビットコインETFって何?米当局は注意喚起も初承認(日本経済新聞電子版)
◎コラム:ビットコインETF初承認、実用化拡大はなお遠い(ロイター)
◎Statement on the Approval of Spot Bitcoin Exchange-Traded Products(SEC)
■その他の「やさしく解説」
◎そもそも「マイナス金利」とは?試される植田日銀、異次元緩和からの出口戦略
◎「スターリンク」とは?能登半島地震でも存在感、マスク氏が率いる衛星通信
>>その他の「やさしく解説」