いざ正月だ。いざ箱根駅伝だ。2024年の箱根駅伝は記念すべき第100回大会である。朝から酒を飲みながら、学生たちの白熱したタスキリレーを観戦している時、至極の幸せを感じる人もいるのではないだろうか。
スポーツライターの生島淳氏も、生粋の箱根駅伝ファンの一人である。豊富な取材経験があり、現場からの信頼も厚い。『箱根駅伝に魅せられて』(KADOKAWA)を上梓した生島氏が、箱根駅伝の楽しみ方、注目大学に注目選手まですべてを語った。(聞き手:関瑶子、ライター&ビデオクリエイター)
──今からでも間に合う、箱根駅伝を2倍3倍楽しむ方法を教えてください。
生島淳氏(以下、生島):まずは、本屋に行きましょう。たくさんの箱根駅伝ガイドブックが並んでいるはずです。その中から、好きなものをお買い求めください(笑)。
僕のオススメは、自分自身も寄稿していますが、陸上競技マガジンの1月号増刊の「箱根駅伝完全ガイド」。これが1冊手元にあるかないかで、箱根駅伝の楽しさは雲泥の差が生じます。
「箱根駅伝完全ガイド」は、箱根駅伝に出場する23チームすべての主要選手の名鑑です。最近では、「ハッシュタグをつけてこういう応援をしてください」という項目も載っており、そこから各選手のキャラクターを垣間見ることができます。
昨年の「箱根駅伝完全ガイド」では、中央大学の選手の多くが好きなタレントとしてYouTuberを挙げていました。そのYouTube大好きチームが第99回箱根駅伝で総合2位ですからね。チーム像も把握できるので、とても面白いです。
箱根駅伝は、だいたい1区間1時間程度あります。走っている選手がどこの大学のどんなチームなのか、選手はどんな人なのかということを想像しながら見ると、どんどんと箱根駅伝の面白さの沼にハマっていきます。そのためには、手元に名鑑が1冊あるといいですね。
──箱根駅伝を観戦する上で、生島さんの書籍『箱根駅伝に魅せられて』は、どのような使い方をすればよいでしょうか。
生島:『箱根駅伝に魅せられて』は復習にもってこいだと自負しております(笑)。
箱根駅伝が終わってから読んでいただきたいですね。そうすれば、「箱根駅伝はこう楽しむのか」ということがわかってもらえるんじゃないかなあ。
今回の書籍では、箱根駅伝や各大学の歴史がどのように紡がれてきたか、各大学の監督はどのような人なのかなど、自分が見てきたこと、聞いてきたことを書きました。
それと、箱根駅伝に出ている選手は「選手」である以前に「学生」なんです。競技生活と学業の両立とか、他の書き手があまり興味を惹かれないことなんかも書いているので(笑)。僕自身が大学オタクなので興味があって。
この本を通して、選手のことをぐっと身近な存在に感じてもらえたらうれしいですね。ひとつのテーマについて、3000ワード程度で書いてあるので、さらっと読めます。トイレ本に最適です。
そいでもって、箱根駅伝の沼にはまったあとには、広島で全国都道府県対抗男子駅伝競走大会があります。2024年は1月21日開催予定です。1月はまさに、駅伝強化月間です。一緒に、駅伝の沼にハマりましょう。