ただ、そうとはいえ、裏社会のオオカミは暴力団である。半グレは所詮、野良犬に過ぎない。
前述の半グレもこう語っている。
<不良や半グレに詳しい者を(暴力団が)グリップ(把握)して、そこから悪さをしているグループの情報を吸い上げ、そのシノギを取り上げるというパターンが多いような気がします。けれど、(犯罪に)直接かかわるとリスクが高いので、そいつらにシノギをやらせて、お金だけを上納させるというもの(が多い)>(『だからヤクザを辞められない』126頁)
半グレの犯罪傾向
この点も、前掲書にて指摘しているが、半グレの犯罪は常に変化している。再び、半グレの証言を見てみよう。
<暴力団と半グレのシノギは共有され、違う形態へと移り変わっていきます。オレオレばっかりをマークしていると、その裏では違うシノギが新たに顔を出すというような塩梅です>(『だからヤクザを辞められない』128頁)
現時点では憶測の域を出ないが、今回、関東地方を中心に続発している強盗事件も、このように「違う形態へと移り変わった」結果の事件であると、筆者はみている。