NTTは、当時、次のような警告を発している。

「警察庁の発表によると、令和元年上半期のカードすり替え詐欺の認知件数は1,393件に上り、前年同期の2.4倍に増加しています。また、固定電話にかかってくるイメージのあった偽電話ですが、スマートフォンへの着信も急増しており、警察が注意を促しています」(「NTTドコモ安心セキュリティ」2019年10月)

2018年以降頻発したアポ電強盗

 前述のように、コロナ禍の自粛生活が続いたことで、アポ電強盗は一時下火になった。だが、ここ数日の間に起こっている強盗事件は、このアポ電強盗の変形であると思われる。

 2019年4月23日のクローズアップ現代「徹底追跡!“アポ電強盗”本当の怖さ」では、次のような事例が紹介されている。

<例えば東京・江東区で女性が殺害された事件(筆者註:2018年2月に都内のマンションで80歳の女性が強盗に襲われ、手足を縛られた上、首を圧迫されて殺害された事件)では、女性の家に、週に3日、ホームヘルパーが来ることになっていたんですが、強盗に押し入られたのは、その合間を縫った時間帯でした。つまり犯人グループは、お金があるということだけでなく、女性の生活実態まで把握していた可能性があるんです。実際に、実行犯と見られる男らが下見をしている様子も防犯カメラに映っていました>

<逮捕された実行犯3人。そのうちの1人、須江拓貴被告。ほかのアポ電強盗にも関わった疑いが持たれています。そして、小松園竜飛被告は、格闘技大会にも出場していた男>

 この時、逮捕された実行犯3人は、いずれも20代の若者である。「3人はSNSを通じた『闇バイト』などで集まった『犯罪集団』の一員で、実行犯をたくみに変えながら窃盗や強盗などの罪を重ねてきた」(文春オンライン 2021年4月7日)。

 今回の関東一円で頻発する強盗事件に似ていないだろうか。