強盗の実行犯、大半は若年者
まず、今回の事件をみると、逮捕された人間は、年齢が若いことが共通している。中野区の住宅で住人の49歳の男性に対して暴行を加え、現金およそ3000万円を奪った疑いが持たれている永田陸人容疑者は21歳である。
東京・渋谷区の貴金属店に侵入し、ネックレスなど29点、272万円相当を盗んだとされる3名の実行犯は、いずれも19歳であった。
さらに、大阪・天王寺区のマンションに覆面姿の男らが押し入り、780万円相当の金品を奪った事件では、強盗の指示役と実行役とみられる男6人のうち、実行犯の福永直也容疑者は21歳、小杉瞭斗容疑者は20歳、実行役のメンバーを集めた藤本傑容疑者は少し年嵩の32歳であった。
半グレの種類
実行犯は、いずれも20歳代前後の若年者であること。各種報道では、彼らが闇バイト求人によって集まった者であることが示唆されている。
ここで、2021年に筆者が示した半グレの分類をご覧頂きたい。
(1)関東連合等に代表される草創期の半グレ、(2)特殊詐欺等の実行犯(昨今ではそのまま暴力団や準暴力団の手先となっているケースが多い)、(3)犯罪に従事しつつ正業を持つグループ(地下格闘技関係者、ITビジネス系、飲食店経営等)、(4)偽装離脱や社会復帰に失敗した元暴アウトロー、である。
今回の強盗事件で逮捕されている者は、この中で(2)カテゴリー「特殊詐欺等の実行犯」に該当する。彼らは、「闇バイト」などで勧誘されるケースが多く、使い捨て要員である。犯行の指示も「テレグラム」や電話を通じて為される。だから、指示役とは面識がなく、彼らを逮捕しても、首魁に司直の手がのびることはないのである。