韓国ロッテが販売しているペペロ(写真:Yonhap/アフロ)

(立花 志音:在韓ライター)

「ぺペロdayも終わったし、今日はみんなでクリスマスツリーを出そう」

 ぺペロdayというのは、11月11日の韓国版ポッキーの日である。韓国のその日は、ポッキーの模倣品の「ぺペロ」が飛び交う。5年ほど前からは、ポッキーも国内の製菓会社がライセンス生産しているので、我が家がお金を出して買う時は、いつもポッキーを買っている。

 しかし、今年は事情が変わってしまったのだ。ぺペロdayを目前に「サンリオぺペロ」が登場したのだ。箱にサンリオのキャラクターたちが描かれたぺペロは、娘のハートをわし掴みにして離さなかった。

 最近の韓国でサンリオキャラの流行り方は、はっきり言ってエグイ。数えきれないくらいのコラボ品が出現し、スーパーに行けば鉛筆から布団まで揃う。

 ノージャパンの時期には攻撃の矛先がキティちゃんにまで及んでいたのに、今の韓国での流行具合を見ると、なんというか、開いた口が塞がらない。この変わり身の早さはもう、民族性と呼ぶしかないだろう。

 結局その可愛さに負けて、サンリオぺペロを箱買いしてしまった。ごめんね、ポッキー。

 そんな11月の半ば、今年は普段より遅めにクリスマスツリーを出した。

 背丈が180センチの大きめのツリーを買って3年目になる。プロテスタント系の学校を卒業して、自称クリスチャンを名乗る筆者は、クリスマスの「雰囲気」が大好きだ。

 いつもなら、11月になった瞬間に家中をクリスマスモードに切り替えるのだが、先週末は子供たちが近所のリンゴ農園に収穫体験に行ってしまったりで、ずれ込んでしまった。

 特に末娘は「自分でやりたい期」の全盛期だ。幼稚園に行っている間に、誰かが出してしまおうものなら、ピカピカ光るツリーを見ながら、喜ぶどころか大泣きするのは目に見えている。

 高2の長男に肩車をしてもらって娘がつけた、ツリーのてっぺんの星を見つめながら、今年を振り返った。

 今年はとにかく子供たちの「やりたい」という気持ちに添えた1年だった。マイペースの次男にも合った、個別指導の先生を見つけることができた。

 マスク義務の解除と共に、様々な体験プログラムが学校や幼稚園で始まり、コロナは過去のものとなった。何年かぶりに、満足のいく1年だった。

 そんな今年に韓国で起きた事件の中で、個人的に筆者の印象に残っているものは慶南銀行で起こった横領事件である。